なんとかしないと!

なんとかしないと!! 

その後、授業中も、視線はついつい自分の腕に行ってしまいました。

その度に、なんて毛深いのだろう。とため息をつきました。

見れば見るほど濃くなっていっているような気がして怖くなり、見るのをやめようとも思いました。

でも、どうしても気になって見てしまいます。
なんとか目に入らないようにそっと教科書やノートで腕を隠したりもしました。

でもやっぱり教科書やノートのすきまから見てしまうのでした。


「なんとかしなくては」

子供心にそう思いました。だけど具体的な考えは何も浮かびませんでした。(浮かんでくることといえば、魔法であっというまにキレイに毛がなくなる、ある朝目が覚めたら腕の皮がつるりと毛ごとはがれていてスベスベになっている、といったたぐいの現実離れした空想ばかりでした。)

そんな私がただひとつひらめいた具体的な方法が、ずばり、「カミソリ」だったのです。


その日学校が終わって家に着くと、母は、まだパートから帰っていませんでした。

一人で家の鍵を開け、中に入り、まっさきにカミソリを探しました。

家中の戸棚や引き出しを開けて探してみましたが、見つけられませんでした。
おそらく母が、子供の手の届かないところに隠していたのでしょう。

しばらくして帰って来た母に思いきって訊ねてみました。

「おかあさん、カミソリどこにあるのん?」

「カミソリみたいなんなにすんのん?」

「毛、剃るねん」

「何あほなこというてんのん!!毛みたいなもん剃ったら絶対あかん。
剃れば剃るほど濃くなっていくねんで。やめとき大変なことになるで」

母は、おどかすように強い口調で私にそう言ったのです。

私は、その時の母の言葉をうのみにしていまいました。

そして、自分の全身の毛がどんどん濃くなっていき、ついにはジャングルの密林地帯のように 毛という毛がうっそうと生い茂る光景が浮かんできて、ぞっとしたのです。


それで「カミソリ」は、あっさり、あきらめました。

あまりの痛みに耐えながら  

それで次に思いついた方法は、毛を抜くということでした。

「毛抜き」のある場所は知っていました。母の鏡台の真ん中の引き出しにあることを覚えていたのです。

ヘアピン入れの中に混じっていた「毛抜き」をこっそり取り出し、それを使って腕の毛を一本、恐る恐る引き抜いてみました。あまりの痛さに涙がにじみました。

それでも、なんとか、がまんしてえいえいっと、抜いていきました。しばらく抜き続けましたが、そのうち痛みのせいで、涙のほかに、おでこにもじんわりと汗がにじんできて、意識もモウロウとしてきました。

なんだか本当にめちゃめちゃ大変な作業でした。

そんな大変な思いをして小一時間。抜き続けたのにもかかわらず、私の腕はほとんど何の変化も見られず毛深いままだったのです。

私は、絶望的な気持ちになりました。

その時ふと何気なく、うつろな眼差しを、自分の足に向けてしまったのです。

そのせいで、さらにとんでもない事実に気づかされることとなりました。

それまで自分の腕にばかりに関心がいっていましたが、足の毛は、腕よりもさらに濃くたくさんしっかり生えているではありませんか!!

あの時の私が、もし英語を話せていたら、きっと、こう叫んでいたことでしょう。


おーーまい、がっ!!

なんとかしないと!!前向きに

うっそーー!!足もこんなに毛深かったなんて!!

しばらくは絶望とショックに拍車がかかったようになって、ひどく嘆き悲しみました。

が、よくよく考えてみれば、腕も足も私のカラダの一部でつながっているわけですから、腕が毛深ければ、足も毛深いのは、まああたりまえのことなのだ、と納得し、落ち着き取り戻すことができました。

それにどんなに嘆き悲しんだとしても、毛深さが改善されるわけではないのです。

嘆き悲しんでいるようなヒマがあったら、なんとかする方法を考えないと、前に進まないと、と、当時流行していたスポ根アニメのヒロインを真似て前向きな気持ちになろうとしました。

そして自分を励ましたのです。負けないで、くじけないで、なんとかするのよ。がんばるのよ。と。

で、次に思いついた方法が、「はさみ」でした。

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